IP Geolocation調査とは
IPアドレスと位置情報を紐づける調査を「IP Geolocation調査」と呼びます。一口にIP Geolocation調査と言っても、調査方法は様々です。今回は、ネットワーク機器の繋がりから位置情報を判定する仕組みを解説します。
ネットワーク機器の繋がりを分析
インターネットを介してコンピュータどうしが通信する場合、情報は「ルータ」と呼ばれるネットワーク機器を経由してネットワーク上を伝達され、もう一方のコンピュータに到達します。さて、ここで下図を見ながらネットワーク機器の繋がりを確認してください。
まず、どちらも静岡県静岡市に住んでいるAさんとBさんがいます。コンピュータの直前のルータは二人とも同じです。ここから、直前のルータは静岡県静岡市で使われているのではないか?と推測することができます。 Cさんの住所はわかりませんが、CさんのコンピュータもまたAさん・Bさんと同じルータが直前にあることから、Cさんも静岡県静岡市にいる可能性が高いと考えることができます。
次に、A・B・Cさんの二つ前のルータを見てみましょう。このルータは、静岡県浜松市に住むDさんの二つ前のルータでもあります。このことから、二つ前のルータは市町村はわからないものの静岡県内で使われている可能性が高いと考えられます。
住所のわからないEさんですが、Eさんのコンピュータの直前のルータが静岡県内で使われていると考えられるため、市町村は判断できないものの、静岡県内にいる可能性が高いと考えられます。このようにして調査範囲を拡大していくことで、ネットワーク機器のつながりからIPアドレスの使われている位置を推定することができます。この調査業務はネットワークの仕組みを熟知した専任スタッフ(Net Tracer)が担当しています。
まとめ
・インターネット上で情報はネットワーク機器を経由して伝達される。
・ネットワーク機器の繋がりから、IPアドレスの使われている位置を推定することができる。