インターネットの急速な普及により、現在IPv4だけでは、アドレスの数が足りなくなるという状況が生じています。そこで、次世代のプロトコルとして注目されているのがIPv6です。
今回はIPv6アドレスの対応状況を、主要国(G20の20か国)に絞り、調査を行いました。IPv6アドレスに関しては「IPv6アドレスって?」で解説しています。
主要国におけるIPv6アドレスの対応状況
IPv6アドレスの対応状況を調査するにあたり、下記に関して着目しました。
・WebサーバのIPv6アドレス対応状況
・メールサーバのIPv6アドレス対応状況
・DNSサーバのIPv6アドレス対応状況
・Googleへのアクセスのうち、IPv6アドレスを利用したアクセスがあるユーザの割合
以上4点です。そちらを総括した結果が下記のグラフです。
この中のWebサーバ、メールサーバ、DNSサーバの数値は、サーバ(コンテンツ配信)側のIPv6アドレスへの対応状況を表し、Googleへのアクセスはユーザ(プロバイダ、インフラ)側の対応状況を表しています。
日本におけるIPv6対応状況
上記表から、日本は他の主要国と比較したとき、サーバにおけるランキングが18位と低く、IPv6アドレスへの対応は著しく遅れていることがわかります。
サーバ側の対応では、国内において、コンテンツ配信側のIPv6対応のメリットが薄いため対応が遅れている、といわれていますが、それが如実に現れた形となりました。
ユーザ側の対応では、IPv6が利用可能なユーザが35.12% で第7位となっており、サーバ側と比較して高い結果であることがわかります。
今後の日本の対応
IPv6アドレスの普及が進む中で、今回の結果からも、日本の現状は決してよいものではないことがわかります。しかし、コンテンツ側の対応は、インフラ側の対応よりも比較的容易なため、コンテンツ側のIPv6化によるメリットが見出せれば、状況も大きく進むと考えられます。その時の日本の対応に期待が高まります。