データで見るコロナウィルスの影響

外出自粛要請への反応から見る地域の差

コロナウィルス感染拡大予防対策のため緊急事態宣言とともに、外出自粛が全国的に続く中で、様々なところで人の行動データの分析が行われています。

「LIVRA」を運営しているGeolocation Technology(ジオロケ)でも、自社で保有するデータで分析を行いました。

今回使用したデータは、2月にリリースした「Wi-Fiスポット情報」というサービスの作成途中でできる情報で、主にフリーWi-Fi利用したログ情報(日時,IP,SSID,緯度経度)の3億8千万以上のレコードを分析したものです。

特にフリーWiFiが利用されている(≒外出が多くされている)期間は3月10日から4月19日です。この期間は、3月23日週から不要不急の外出自粛、3つの密といったキーワードがメディアを飛び交い、4月7日に7都府県に緊急事態宣言、4月16日に緊急事態宣言の対象を全国に拡大といった社会情勢があり、外出自粛要請に対しての人々の反応を見ることができます。

 

動きが早い東日本と余力を残す西日本

下の図は、縦に都道府県、横に日付を並べており、都道府県ごとにフリーWiFiの利用が相対的に少ない日が濃い赤になっています。

上記データをダウンロード(gt20200421.xlsx)

最初の動きは、3月28日、関東地方と長野県、福島県が前週比20〜40%近く減っています。都知事からの「不要不急」、「3つの密」という言葉での外出自粛要請に応じた関東周辺の人々が外出を控えた素直な結果と言えます。その翌週の4月5日には、北海道から東北地方が10~25%程度減りますが、関東地方は前の週よりも10~15%増えており、自粛疲れが見られます。

大きな動きが全国的にあったのは、やはり4月7日の緊急事態宣言後です。平日も色が濃い部分が目立ちます。今まで大きな動きを見せなかった西日本も軒並み10~30%減り、東日本もさらに10~20%減っています。4月18日は、東日本は大雨に見舞われたこともあって、これが底値じゃないか、とも思えますね。
また、大きく減った翌週には自粛疲れによる増加の傾向が見られる中で、続落させた緊急事態宣言の拡張は、国民の行動に大きく影響があったとも言えます。
全体的には、不要不急、3つの密、緊急事態、などメディアに取り上げられやすい言葉が行動に影響があるとも言えそうです。3月28日、4月11日と関東地方が2段階に減少したことを考えると、西日本はまだもう1段階減る余力が残っているとも予想できます。

今後もこういった状況が続くことが予想されるので、自粛疲れ対策がこれからは効果的なのかもしれません。仕事もコロナ対策も持続可能性が重要ですね。2週連続緊急事態宣言が出た後の今週末に自粛疲れがどっと出ないように今から対策を考えましょう。

※本記事は、2020年4月21日に弊社コーポレートサイトにて公開した「外出自粛要請への反応から見る地域の差について」より情報を転載しております。