DNS(Domain Name System)とIPアドレス
FQDNとIPアドレスを対応付けて管理するシステムのことを「DNS(ドメイン・ネーム・システム:Domain Name System)*」と呼びます。
コンピュータ同士の通信で使うIPアドレスに対し、人間が扱いやすいようFQDN(ホスト名とドメイン名を続けて記述したもの)を紐付けているということは「IPアドレスとFQDNの関係」で解説していますが、肝心の「IPアドレスとFQDNの変換」を行う際に、DNS(Domain Name System)が必要になります。
*1)「ドメイン名前空間」自体もDNS(Domain Name Space)と呼ばれることがありますが、ここではDomain Name Systemのことを「DNS」、ドメイン名の構造そのものは「ドメイン名前空間」と表記します。
DNS(Domain Name System)の役割
DNSの主な役割は、FQDNとIPアドレスを変換することです。
「www.example.jpにアクセスしたい」という場合、DNSに「www.example.jpのIPアドレスを教えてください」と問い合わせます。
DNSの役割は、「電話帳」に例えると分かりやすいでしょう。
電話を掛けるには電話番号を知らなければいけませんが、世の中の電話番号を全て記憶することは現実的ではありません。そこで、名前と電話番号を対応させた電話帳を作っておき、名前さえわかれば電話番号を求められるような仕組みを作っておくのです。
ドメイン名前空間とDNS(Domain Name System)
役割としては「電話帳」に例えられますが、DNSの仕組みそのものは、単純にFQDNとIPアドレスを対にしたようなものではありません。
ドメイン名は.(ドット)で区切られた階層構造になっています。それぞれの階層には「ネームサーバ」と呼ばれるサーバがあり、同階層のホスト名とIPアドレスとの紐づけを管理し、下階層に位置するネームサーバの名前も管理しています。
「www.geolocation.co.jp」のIPアドレスがわかるまでの流れを見てみましょう。
まず「ルートサーバ」から「jp」のネームサーバのIPアドレスを教えられ、「jp」から「co」のIPアドレスを、「co」から「geolocation」のIPアドレスを教えられます。そしてようやく「geolocation」のネームサーバから「www」のIPアドレスを知るという流れになります。
インターネット上で使われる膨大な数のIPアドレスやドメイン名・ホスト名を管理するために、分散させた沢山のネームサーバが協調して「DNS(Domain Name System)」として機能する仕組みが取られているのです。
まとめ
・FQDNとIPアドレスを対応づけて管理する仕組みを「DNS(Domain Name System)」と言う。
・DNSの役割は、FQDNとIPアドレスを変換すること。
・DNSは階層化され、分散されて管理されている。