TLD(Top Level Domain)の種類
わたしたちが普段目にするTLD(Top Level Domain:ドメイン名の最も右側の部分)は、大まかに2つに分けることができます。
1つ目が、使う個人・組織の分野や使い道によって規定されたTLDです。これはgTLD(Generic Top Level Domain)と呼ばれ「.com」や「.net」などが含まれます。また、gTLDの一種として、特定の分野や業界の利用を想定しているsTLD(Sponsored Top Level Domain)と呼ばれるTLDが存在します。
2つ目が、国コードごとに定められたTLDで、ccTLD(Country Code Top Level Domain)と呼ばれます。ccTLDについては「ドメインの種類/ccTLD」で解説しています。
gTLD(Generic Top Level Domain)とは
gTLD(Generic Top Level Domain)は「分野別トップレベルドメイン」とも呼ばれ、その名の通り「分野」に応じて規定されたTLDです。
用途が大まかに定まっていたり、登録対象が限定されていないようなTLDも多く存在します。例えば、「.com」は元来「commercial」の略称で、商業組織の利用を想定しています。しかし、登録対象は限定されておらず世界中のだれでも登録することができるため、必ずしも想定されている利用用途に限定されているとは言えません。 このことからドメイン名の悪用やドメイン名をめぐる紛争問題が起こりました。これらについては、「ドメインの悪用」で解説しています。
■gTLDの例
ドメイン | 内容 |
.com | 商業組織用に使うことを想定。登録の制限はない。 |
.org | 非営利組織用に使うことを想定。登録の制限はない。 |
.net | ネットワーク用に使うことを想定。登録の制限はない。 |
.info | 用途に制限はなく、世界中の誰でも登録が可能。 |
sTLD(Sponsored Top Level Domain)とは
sTLD(Sponsored Top Level Domain)は「スポンサー付きトップレベルドメイン」とも呼ばれ、名前の通り「スポンサー」を持つTLDです。
「スポンサー」とは、特定の利用分野や利用目的に見合った形でドメインが登録・利用されるように後援する組織・団体の事です。スポンサーを持たないTLDとは違い、取得した組織がドメインの利用基準を満たしていることが保証されていることが特徴です。 例えば、「.museum」は、博物館や博物館の運営団体、博物館職員のために使われるTLDです。このTLDのスポンサーである「MuseDoma」という組織は、博物館の国際組織であるICOMによって設立されました。登録の際には博物館に関する説明を添えたリクエストを行う必要があります。
■sTLDの例
ドメイン | 内容 |
.aero | 航空運輸業界用のTLD。業界の組織および個人が登録できる。 SITA(国際航空通信共同体)が運営している。 |
.museum | 博物館用のTLD。博物館、美術館、などの施設と、それらの施設に勤務する専門職員が登録できる。 ICOMによって設立された「MuseDoma」が運営している。 |
.asia | アジア太平洋用のTLD。 アジア太平洋各国のccTLDを管理する組織がスポンサー。 |
まとめ
・TLDは、大きくgTLDとccTLDの2つに分けられる。
・gTLD(Generic Top Level Domain)は、使う個人・組織の分野や使い道によって規定されたTLD。
・sTLD(Sponsored Top Level Domain)は、ドメインの管理を後援する「スポンサー」を持つTLD。