IPv6の利用状況(2022年11月時点)

2022年6月6日より、どこどこJPのJavaScript版を設置している一部のWebサイトへアクセスしたユーザのIPv6情報の収集を開始いたしました。
■IPv6の利用状況分析の開始に関するお知らせ
https://www.docodoco.jp/uncategorized/1561/

今回は収集した情報から、どこどこJP上のIPv6使用率と、IPv4で組織判定がついたアクセスのIPv6利用率に関して分析をしてみました。

どこどこJP上の日別IPv6利用率

10月27日から11月10日の間で、どこどこJPでリクエストを受けたIPアドレスをユニーク化し、IPv6の割合を使用率として算出しました。

算出結果:
平均で42.96%がIPv6を利用しており、一番割合が大きい日だと49.59%という結果になりました。

以前下記記事で2022年6月の利用率を出したときは、平均が40.80%という結果でしたので、利用率は少し上昇いたしました。

どこどこJP上の組織のIPv6利用率

IPv6でのアクセスも確認できた組織数の割合を算出してみました。

IPv6の収集を行っているv6.docodoco.jpへアクセスがあった組織は46,073社ありました。
そのうち、IPv6の利用が確認できた組織は7,233社(16%)でした。

日別IPv6利用状況では、平均で43%以上のIPv6利用が確認されましたが、組織からのアクセスだけに絞って分析すると、利用率は16%にとどまりました。

総務省が調査した2021年度のIPv6接続サービスの提供状況でも、大規模事業者(10万契約以上、CATV事象者除く)では100%がIPv6サービスを提供中で、中小規模事業者でも51%が提供しているとなっており、ISPサービスとしてはIPv6の利用が進んでいるものの、一般組織ではWebページは9.8%、組織内システムは3.3%しか対応できていないとなっており、まだまだIPv6対応が進んでいないことが浮き彫りになりました。

総務省 我が国のIPv6対応状況に係る調査
https://www.soumu.go.jp/main_content/000825585.pdf

B向けサイト・C向けサイト別IPv6利用率

記で組織のIPv6利用率が低いことが判明しました。その影響がサイト別の利用率につながっているのか確認するため、ログに残るリクエスト元URLをもとに、B向けのサイトか、C向けのサイトかを独自で判断し、リクエスト数でみたIPv6利用率に違いがあるか分析を行いました。

平日の場合、平均IPv6利用率は、C向けサイトでは47.37%だったのに対し、B向けは38.42%と9ポイント近く低い結果となりました。
対して、土日祝日の平均IPv6利用率は、C向けサイトが51.56%だったのに対し、B向けサイトは46.03%と、C向けサイトよりB向けサイトが低い結果は変わりませんでしたが、サイト間の差は5ポイントと、平日より小さくなっていました。

組織のIPv6利用率で述べた通り、組織のIPv6対応がまだ低い影響で、組織からのアクセスが多いB向けサイトは、C向けサイトと比較して、IPv6でのアクセスは少ない結果となりました。
土日祝日は、自宅ネットワークからのアクセスが増える影響で、平日よりもIPv6からのアクセスが多い結果となったと考えられます。

まとめ

2022年11月時点の結果は上記の通りとなりました。
どこどこJP全体のアクセスとしては、7月時点よりもIPv6の利用率は向上しましたが、組織のアクセスだけ見ると、IPv6利用率は低く、組織のIPv6対応があまり進んでいないことが判明いたしました。

弊社では、引き続き普及率を計測していくとともに、v6 SURFPOINT(IPv6を収録したSURFPOINT)の精度向上に向けた施策などを通じて、アクセス解析、セキュリティなど幅広い分野でのIPv6利用推進に向けた取り組みにも積極的に関与していきます。