広告配信とターゲティング

マーケティング戦略とターゲティング

これまでの流れで、インターネット広告とターゲティングの手法は広告配信の技術の進化とともに、時代を経るごとにより複雑になっていることが分かりました。現代のアドテクノロジーでは、インターネットユーザが特に意識することなく潜在的に求めている商品やサービスの広告に出会うような自然なアプローチが模索されています。
広告を出稿する企業側にとっても、どんなユーザにどのようなアプローチをするか…というマーケティング的な側面からの戦略立案は必須となっています。
そこで、今回はインターネット広告において「どんなユーザをターゲットとするか」を決定するターゲティングの種類について、あらためて振り返ってみましょう。

 

行動ターゲティング

ユーザの興味関心を推測し、ターゲットを絞って広告を表示させる手法です。ブラウザの閲覧情報をcookieから取得する場合や、アドネットワークなど広告配信サーバから得られるユーザの行動情報とWebサイトの内容情報を組み合わせる場合など、特定の分野のコンテンツの閲覧や特定の広告のクリックなど、Webサイト上での行動履歴を蓄積し、ユーザをセグメント化し、そのセグメントに対して限定して広告を配信します。

デモグラフィックターゲティング

年齢、職業、性別などの統計的データを利用した手法です。会員制サイトやFacebookなどのSNSで登録したデータを利用します。

地域ターゲティング

国や地域、都道府県、など広告を配信する地域を限定する手法です。市区町村、または中心地から半径○◯キロメートル以内といった設定が可能な広告も存在します。
地域判定のロジックには、検索クエリの分析やIPアドレスによる位置情報を判定するIP Geolocationの技術が利用されています。詳しくは
「6.1.1 IPアドレスに紐づけられた情報と活用方法(地域編)」をご覧ください。また、スマートフォンやタブレットなどのデバイスでは、GPSやWi-Fiによるユーザ現在地情報が利用されています。

リターゲティング

cookieを訪問履歴の把握に利用する自社のWebサイトを訪れたことのあるユーザをターゲットとする手法です。一度でもサイトを訪れたユーザは、その商品やサービスに関して関心が高い可能性があり、コンバージョンに結びつく効果が高いと予測されるため、再訪問を促すような広告が表示されます。
再訪問を促すことによる効果は、フリークエンシー効果と呼ばれます。同じ広告が何度も表示されると拒否反応が生まれることもありますが、商品の認知やブランド理解促進の効果が期待されています。

このようにインターネット広告のターゲティング手法には様々な手法があり、広告を出稿する企業側はアドテクノロジーによって新たなマーケティング活動が可能になりました。

まとめ

・インターネット広告にはターゲットユーザを決定する多様なターゲティングの種類がある。
・多様なターゲティング手法により、企業は新たなマーケティング活動が可能になった。