【海外事例紹介】コロナ禍で加速する飲食業界のマーケティング戦略の変化

 

様々な変化を強いられている飲食業界

新型コロナウィルスは、さまざまな業界に影響を与えています。特に飲食業界は、感染源となっているケースも多くみられ、早急な対応が求めらました。今回は飲食チェーンがどのような対策をしているのか、マーケティング戦略の変化をテーマに、主に海外での展開について調査を行いました。

 

ビジネスモデルの変化

飲食店では店内の食事が簡単にできなくなり、テイクアウトやデリバリー、ドライブスルーが注目されはじめました。また、それとは別にデジタル分野へも積極的な投資が行われています。例えば、

・モーションセンサーの設置
・デジタルメニューの導入
・セルフ注文端末
・モバイルでの注文・決済

などがあります。では、これらを実際に展開、もしくは以前より展開されているケースを紹介します。

 

スターバックスのモバイルアプリ

スターバックスでは、時間を無駄にすることなく、注文の事前注文、支払い、受け取りを行うことができるモバイルアプリを展開しています。

またそのアプリ内で、注文の好みを予測し、追加注文を提案したり、個々の顧客が注文を変更もしくはアップグレードしたい場合に備えて、その場で特別オファーを行う機能を搭載しています。さらにポイント機能も搭載し、割引や特典との交換などが可能です。

このサービスはApplePayやGooglePayよりも優れていると注目されています。

 

マクドナルドのAI分析によるサービス提供

マクドナルドでは2019年から顧客との接点(ソーシャルメディア、ウェブサイト、デジタルメニュー、ドライブスルー、モバイルアプリなど)をAIで分析し、よりパーソナライズ化されたプロモーションに活用しています。

このデータにより米国の700か所のドライブスルー店舗においてパーソナライズされたメニュー展開を実施。利用するたび特典が受け取れる報酬プログラムを準備し、顧客にアップセルする企画を実施しています。

またスターバックスやダンキンドーナツでは、ドライブスルーにおいてもナンバープレートを分析し、ドライバーに合わせメニューやサービスをカスタマイズするサービスに先行して投資しています。

 

バーガーキングのプロモーション戦略

最近の調査によれば、69%のマーケティング担当者が位置情報を活用した高度な分析を通じて、対競合他社対策や顧客の行動などを把握しようとしていると答えていますが、バーガーキングでは、位置情報を利用したマーケティング戦略をいち早く導入しました。

同社では、マクドナルドへ向かう顧客の獲得のため、店舗から半径180メートル以内にいるときに1セントのハンバーガーを提供するクーポンをモバイルアプリで発行。これにより顧客の獲得に成功しています。

 

これからのマーケティング戦略

AdTheorent社の発表によれば、消費者の71%が顧客満足度を高めるためにAIを取り入れる飲食店に好意的と答えています。その一方で、NCR社の調査では、飲食店経営者の経営者の3分の2以上がAIを使用していないとの結果が得られています。

以上のように大手飲食チェーンにとって新型コロナウィルス対策は、より高度な分析を可能にするデータを収集するためのきっかけとなっているようです。また、同時に「位置情報」の活用方法についても注目を集めています。

マーケティング戦略の実施には、予算や工数もかかってしまうケースが多いものの、様々な形で多くの企業がコロナをきっかけに動き始めています。この新しい時代をきっかけに、Webサイトのアクセス解析ツールや顧客のアンケートなど、始めやすい形からでもマーケティング戦略を組み立ててみてはいかがでしょうか。