RTB(Real Time Bidding)とは
インターネット広告に関する技術の話題で、頻繁に登場する「RTB」。これは、リアルタイムビッディング(Real Time Bidding)の略で、広告のリアルタイム取引を実現する仕組みのことを指します。広告を1回表示させるごと(インプレッションごと)にeCPMが算出され、買い手である広告会社のシステムに対してオークションが行われ、最高額の入札単価を提示した買い手の広告が表示される仕組みです。入札と落札が行われる速度は数ミリ秒と言われ、高度なロジックと大量のトランザクションを高速処理する技術が駆使されています。
RTBというシステムの背景には2008年のリーマンショックがあると言われています。
(http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/07/10/13002)
リーマンショックで失業した金融工学のエンジニアが、インターネット広告業界に転職した金融工学のエンジニアたちが、株取引の仕組みを広告売買に取り入れたことがRTBの成り立ちだったそうです。
RTBとDSP
DSPでは、広告主が配信したいクリエイティブ・ターゲット条件・入札額・期間・予算などを設定します。その条件に従って、ユーザが広告枠のあるWebサイトを訪れるたびに、RTBの技術を利用した広告配信が行われます。広告主は、自動化された技術によりその時の最適な価格で広告を配信することができます。
このような、ユーザの設定に応じて自動的にリアルタイム入札を行う取引の仕組みを「プログラマティック・バイイング」と呼びます。
RTBとSSP
SSPでは、ユーザに広告枠のあるWebサイトを表示する際に、広告リクエストを受付けします。広告を表示させるまでに、DSPからの入札を受けRTBによるリアルタイム広告取引が行われ、最終的に表示される広告が決まります。SSPの考え方のベースとなっているのは「イールド・マネジメント」と呼ばれる手法と言われます。
もともとは残席を減らしつつ一つ一つの席はなるべく高額で売りたいという航空会社のニーズを満たすもので、高いニーズがあればなるべく高額で売る一方、需要が少なければ空きが出るよりは安価でも売却するという手法です。需要に応じて値段を柔軟に変化させ、取引時点での利益を最大化させるという考え方が、インプレッション単位で取引が行われるRTBの仕組みとぴったりでした。
媒体社はSSPを利用することによって、広告表示1回ごとに広告収益を最大化することができ、さらに在庫の収益を最大化させることができます。
下図は、Webページのアクセスから広告が表示されるまでの流れを簡単に図化したものです。
SSPはインプレッションの発生に応じて複数のDSPに入札を呼びかけます。DSPが入札を行い、SSPはその中から最も広告収益が大きくなる広告(図ではB)を表示します。
まとめ
・RTBとは、インプレッションごとのオークション形式により、広告のリアルタイム取引を実現する仕組み。
・広告主は、RTBの自動化された入札により、最適な価格で広告を配信できる。
・媒体社は、インプレッション単位で行われるオークションによって、広告の収益を最大化できる。