IPアドレスから回線種別を判別する
IPアドレスから分かる情報の一つとして、利用しているインターネット回線の種別があります。
「IP Geolocation調査の仕組み」では、ホスト名に含まれる文字列から都道府県・市区町村などの情報が得られることを紹介しましたが、同様に、ホスト名に回線種別やプロバイダ名がわかる文字列が含まれる場合があります。
この情報を収集し、アクセスユーザの回線種別を判定します。
回線種別ごとに見るIPアドレス数
それぞれの回線種別ごとに、収録されているIPアドレス数が下記のグラフです。
FTTHが43%、XDSLが13%と大きな割合を占めます。一方、ナローバンド(ISDN、ダイヤルアップなど)は1%未満となっています。
回線種別情報の活用
ブロードバンド網の発展過渡期には、回線種別によってリッチコンテンツ(動画など)を表示するか、より容量の小さな画像やテキストを表示するかというコンテンツの切り替えを行う際、これらの情報が役立ってきました。
ユーザの多くがブロードバンドユーザである現在、回線種別情報は「ISPを併用したり、頻繁に切り替えたりすることはない」という特性を生かし、認証要素の一つとして不正アクセス対策に活用されています。
また、回線情報やドメイン情報を活用することで、ユーザの使用しているプロバイダを判定し「プロバイダ別のターゲティング」を行うという手法も存在します。
例えば、特定のプロバイダ利用者に対してプロバイダ乗り換えの広告を表示させ、自社プロバイダ利用者には長期契約キャンペーンの広告を表示させるといった使い方が挙げられます。
まとめ
・ホスト名に含まれる文字列から、回線種別やプロバイダ名が判定できる。
・線種別ごとのIPアドレス数をみると、FTTHが4割以上を占める。
・回線種別情報は、不正アクセス対策やターゲティングに利用されている。